こんにちは! 愛知お散歩ナビゲーターのほとんどうどんです。
今日は名鉄三河線の知立駅以北、通称「山線」の2004年に廃止となった区間、猿投ー西中金間の一部を歩いてきました。
三河線の終点 猿投駅がスタート

名鉄三河線は現在は碧南から猿投までの39.8㎞。名鉄の中では名古屋本線の次に長い路線になります。
しかし以前は西中金ー吉良吉田と、さらに長い距離を誇っていました。猿投ー西中金区間が廃止されたのは2004年4月1日。距離にして8.6㎞。猿投と西中金の間に御船、枝下、三河広瀬の駅がありました。
また、同時に海線の碧南ー吉良吉田間16.4㎞も廃止されました。


猿投駅の北側に来ました。住宅地の間を電車が走ることのない線路が伸びています。このあたりは架線もまだ残っていますね。
線路上を歩いて行きたいところですが、許可なく入るのもよろしくないと思いますので、西側の住宅地の中の道を歩くことにしました。
グーグルマップの航空写真でもはっきりと線路が見えますね。中央下がさきほどの写真を撮影した踏切。電車はもう走らないと思いますが、いちおう踏切になっています。
井上町1丁目のしだれ桜

住宅地の中をしばらく行くと、巨大なしだれ桜の木がありました。おそらく廃線区間を走っていた電車からも見えたのでは。

井上町一丁目にあるから一丁目しだれ桜。40年前に植樹したということですが、40年でここまで大きくなるんですね。ぜひ春に再訪したいですね。

桜こそ咲いていませんが、この時期、道沿いは山茶花が満開のところが多かったですね。

途中にこんな看板もありました。やはりみだりに線路を歩くのはやめましょう。

御船駅跡

猿投駅から約30分、御船駅跡にやってきました。ホームが残っていますが、駅名看板はありませんでした。

駅跡地はふれあい広場になっています。こちらも桜の木が多く、春はきっと満開の桜を楽しめることでしょう。

駅のホーム跡から見る線路には、落ち葉が降り積もっています。

さらに行くと線路は進入禁止のフェンスでふさがれていました。この県道11号豊田明智線と交差する箇所は、もとは踏切のはずですが、線路も撤去され舗装しなおされています。

住宅地の中を歩きます。
希少植物の自生地 御船湿地

しばらく行くとこんな看板が現れました。希少植物を守る会とありますね。シラヒゲソウとシデコブシの自生地があるようです。

シデコブシの説明書き。

この案内看板を見るとシラヒゲソウ自生地の先に、三河線廃線跡を歩けるところもあるようですね。

シラヒゲソウの自生地は有刺鉄線付きのフェンスで厳重に守られていました。谷底のような地形で地面が常に湿っている湿地のようになっていました。
シラヒゲソウは都道府県によっては絶滅危惧種(レッドリスト)に指定されています。こちらの「シラヒゲソウ自生地」は、1971年(昭和46年)5月20日に市の天然記念物の指定を受けています。
花が咲くのは8~9月のようです。


シデコブシの木には目印が付けられていました。3月に花を咲かせるモクレンと同じ、モクレン科の木です。
愛知、岐阜、三重の3件で見られるだけで丘陵地の湿地帯に自生するそうで、湿地帯が開発で減ってきていることもあり、こちらも絶滅危惧種。

100mほど林の中を歩くと御舟石という大きな石が現れました。

名鉄三河線の工事の際にこの石を埋めようとしたら、作業員の事故が多発するなどしたことが書かれています。
神様が宿っているのでしょうか。
ここなら歩いてもOKな三河線廃線跡

こちらも線路がそのままに残されています。2本の線路の間にもう1本レールがありますね。

この落ち葉の降り積もる晩秋~冬が歩くのに適しているかもしれません。


東海環状道の下、御船川を渡る鉄橋は通行止めになっていました。
滝1号古墳

線路の脇に古墳があります。行ってみましょう。

わかりやすい円墳ですね。こちらは滝1号古墳。

出土した土器から6世紀中~後期の遺跡だそうです。古墳時代の後期ですね。
もともと現在の場所から70m東にあったものが、東海環状自動車道の建設に当たって忠実に再現されて、この場所に移築されたそうですね。
古墳の移築なんてこともできるんですね。
シラヒゲソウ自生地と三河線廃線跡、滝1号古墳、東海環状自動車道の位置関係はこのようになります。

こちらがその東海環状自動車道です。愛・地球博(愛知万博)の開幕に合わせる形で、2005年3月19日に豊田東JCT - 美濃関JCT間の区間が開通したので、もう15年が経過しているんですね。
こちらの続きはこの記事です